矯正歯科と審美歯科の違いって? | |
矯正歯科は、自分の健康な歯を活かし矯正装置を使って時間をかけてきれいな歯ならびにします。
一方、審美歯科は、健康な歯を削り人工的な歯をかぶせて、短期間で見た目をきれいにします。
良し悪しを一概に断定することはできませんが、審美歯科のように健康な歯を削る際は「今だけ」ではなく、「将来」を十分に考慮し、検討する必要があります。
もちろん、矯正歯科にも審美的な部分は多くありますが、口の中のすべてのバランスを考えて治療を行います。
両者は同じような意味合いで捕らわれがちですが、目的が共通する部分はあるものの、意味合いや内容は大きく異なります。 |
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不正咬合の原因は? | |
目鼻立ちが親に似るように、骨格、歯列が親に似てくる遺伝的な先天的要素が考えられます。
また、指しゃぶり、舌を前に出す癖やむし歯などを放っておくことが原因で、後天的に歯ならびを悪くすることもあります。
最近は食生活の変化により、あごの骨が十分に発育しないので、歯ならびを悪くする傾向にあります。
また、日常の姿勢や扁桃腺・アデノイド・アレルギ−性鼻炎などで口を開けて息をする(口呼吸の)ために起こると考えられる不正咬合もあります。 |
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不正咬合のデメリットは? | |
歯みがきがしにくく食べ物のカスが口の中に残りやすいので、虫歯や歯槽膿漏になりやすいです。
また、口臭の原因にもなります。そして、食べ物がよく咬めないために胃腸に負担がかかります。
また、咬み方に無理があるとあごの関節が痛くなったり、あごの骨や筋肉が偏って発育し、顔の形にずれが生じることもあります。
頭痛や肩こりの原因の一部になることもあります。
口を閉じにくかったり、発音が上手にできないのも歯ならびと関係していることが多いようです。
発音、口臭や見た目を気にすることで精神的なストレスを抱えてしまわれる方もいらっしゃいます。 |
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矯正治療のメリットは? | |
矯正治療は見た目の歯ならびを並べるだけではありません。咬みあわせをより良く咬めるように治療します。
治療をすることによって、歯みがきがしやすくなり、お口の中の衛生状態を清潔な状態に保ちやすくなります。
また、食べ物を以前より効率よく食べられるようになりますし、口が閉じにくいなどの機能的な問題も解消されます。 |
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「矯正歯科」という看板を良く見かけるのですが、どこでも矯正治療を受けられるのですか? | |
歯科医師であれば、矯正治療を行うことは合法的なことです。
そういう意味で特別なトレーニングを受けていない方でも「矯正歯科」を標榜されている歯科医院も実際にありますし、現行法上それ自体は法的な制限はありません。
ただ問題なのは、「矯正歯科」の看板を出す制限が無い以上、一般の方が矯正治療の受診を考えたときに、何を基準にして矯正歯科医院を選んで良いのかわかりにくいということです。
選択の目安がほとんど無い状態なのでとても迷われてしまいます。
これは患者さんにとって非常に不利益なことだと思っております。
「矯正歯科の標榜」を頼りにして受診する方もかなり多くいらっしゃいますが、それがイコール「矯正歯科の水準の保証」ではありません。
「もう少し明確な選択基準があっても良いのでは」と、つい考えてしまいます。
「矯正歯科を受診する際、どこが良いですか」と質問された場合、「ひとつの目安として、矯正認定医・専門医が診療しているかどうかを確認されたら如何ですか」とお答えしています。
何回も受ける治療ではありませんし一生ものです。治療を受ける医院は慎重に決められると良いでしょう。 |
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認定医とは何ですか? | |
これは、日本矯正歯科学会認定医制度にもとづくものです。
矯正歯科医療に関して、十分な学識と経験を有する歯科医師を日本矯正歯科学会が認定します。
診査の基準は厳格なもので、最低5年以上の矯正歯科臨床経験と症例実績を持ち、学会の審査に合格したものが「日本矯正歯科学会認定医」となります。
また、更新においても上記に準じた審査基準が必要です。認定医は全国で約2000名です。 |
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健康保険が効かないって本当? | |
はい、残念ながら本当です。
矯正歯科治療は、口蓋裂やあごの手術を伴う特殊なものを除き、健康保険が適用されません。 |
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費用はどのくらい掛かるの? | |
費用は症状・治療内容により異なります。また地域によっても異なります。
当院の大まかな治療費の目安は、治療の技術料と装置料の合計が、「部分矯正治療、小児矯正治療で20〜40万円」「通常の本格矯正治療で50〜70万円」くらい掛かる方が多いです。
それから1〜6ヶ月に一回の割合で「処置料(再診料)が3〜7千円」掛かります。
相談時、そして治療計画の説明の時には具体的に説明しますのでご確認下さい。 |
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治療期間と通院間隔は? | |
口の中に本格的な矯正装置が入った場合、通常3〜5週間に1回程度来院して頂きます。
歯の動きやすさに個人差がありますので、治療期間は平均して1.5〜2.5年です。
比較的簡単な装置の使用や機能トレーニングなどは2〜3ヶ月に1回程度、歯の生え代わりを観察する期間や、あと戻りを防ぐ(保定)期間では、3〜6ヶ月に1回程度の通院となります。
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歯を抜くことがあるって本当? | |
できるだけ歯を抜かないような治療をしておりますが、顎が小さくて歯が入る隙間が無いような場合は、歯を抜くことがあります。
抜いた所へ歯を移動していきますので、隙間が残ることはありません。
歯の本数を減らすかどうかの判断は、矯正専門医にとっても、患者さんにとっても非常に重要事項です。
ですから当然のことですが、「抜くかどうか」、「抜くとすればどこを抜くか」は慎重に決めなければいけません。
そのためにはまず矯正治療のための検査と診断が必要になります。
この診断結果と患者さんのご希望を加味し、総合的に抜歯するかどうか判定することになります。 |
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どうして歯が動くの? | |
歯は歯槽骨という骨によって支えられています。
歯と歯槽骨の間には歯根膜というクッションのようなものがあり、ここに力が加わることによって歯槽骨が作られたり減ったりして歯が動いていきます。
参考となるイメージがこちらでご覧頂けます。 新潟大学矯正科 |
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治療中にむし歯になったら? | |
装置によっては一時的に口の中が複雑になり、むし歯になりやすい環境になります。
当院では矯正治療中にうまく歯みがきができるように、歯みがき指導をさせて頂きます。
習ったとおりにきちんと歯みがきすることで、虫歯の予防はできます。
もし、万が一むし歯ができてしまった場合は、装置を一旦はずしてむし歯の治療をしなければいけないので、治療期間が長引くこともあります。
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あと戻りはしませんか? | |
治療前の状態にもよりますが、治療後に何らかのあと戻りを起こす可能性が考えられます。
通常、歯を動かす動的治療が終わったら、あと戻りを防ぐことを考えなければいけません。
あと戻りを防ぐことを矯正治療では保定といいます。
保定期間は個人差がありますが、平均的には1.5〜2年くらいです。
予防のため2年経過したあとでも何らかの形で保定装置を使用して頂いている方もいらっしゃいます。
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何才頃が適齢期? | |
症状によって、治療開始時期が違いますので、気づかれた時点で、なるべく早めにご相談されることをおすすめします。
一般的には、小学校低学年ころに始めるか、中学生くらいになってから始めることが多いです。
一方、歯を支えている骨の量が確保されていれば、治療開始年齢の上限は基本的にはありません(年齢が高くなると、動きが若干遅くなったり痛みが強くなることはあります)。
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乳歯だけの時でも矯正治療はできますか? | |
上下のあごの骨のバランスが悪い場合、特に受け口や下のあごが左右に曲がっている場合などは、乳歯列でも矯正治療することがあります。
また指しゃぶりなどの癖によって起こる不正咬合の場合にも、できるだけ早く原因を取り除くために治療することがあります。
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痛みが出るって本当? | |
装置を初めて入れたときや、装置を調整したとき、歯がすこし浮いたようなだるい痛みを感じます(痛みを感じない人もいます)。
痛みの強さやその不快症状には個人差がありますが、子供の場合、通常3、4日程度でおさまります(大人の場合、1週間くらい続くこともあります)。
大抵の場合、装置を初めて入れたときの痛みが一番強いようですが、小学生低学年の子供でも我慢できる痛みです。
食事の時が一番痛みを感じますので、慣れるまで柔らかめの食事を用意されると良いでしょう。
どうしても痛みが気になる場合は遠慮無くご相談ください。
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食事は今まで通りにできますか? | |
2〜3日を過ぎれば、今まで通りの食事が徐々にできるようになってきます。
ただし、装置をこわす恐れのあるかたい物(固いおせんべいや氷の丸かじり)や粘着性のあるもの(ガムやキャラメルなど)は、トラブルの元になりますので出来るだけ避けるようにしてください。
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スポーツや趣味などの活動の制限はありますか? | |
ボクシング、柔道や空手のような激しいスポ−ツでは、くちびるの裏側を傷つけたり、装置をこわすおそれがあります。
それ以外の運動制限はありません。
趣味もほとんど制限がないといっても良いでしょう。
ただし、楽器は続けられるものが多いのですが、一部の吹奏楽器では歯やあごに力をかけることもあり、慣れるまで苦労することもあります。
治療前に良く相談して下さい。 |
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「どんな歯ならびでも3回で治る矯正治療法」があると雑誌で読みました。電話で問い合わせたら、「初診を含めて必ず3回で治せます」と言われましたが本当でしょうか? | |
実際に現場を見たわけではありませんので難しい質問です。
医学的に考えてお答えします。
叢生(乱ぐい)の歯を何箇所も抜いて、あごの位置がずれたままで、歯を人工的に並べるだけならば、そして健康上の問題をなおざりにして見た目だけのコンプレックスを形だけごまかせれば良いのであれば、4〜6回くらいの通院で可能かもしれません。
しかし、それを矯正治療と呼ぶのは疑問を持たざるを得ません。
矯正治療は、自分自身の歯ならびを審美的に改善するだけではなく、機能的にも健康なものにする治療です。
歯を支えている歯ぐきの状態、あごのバランス、でこぼこの程度どころか口の中を見ることもしないで、電話の問い合わせだけで「歯を動かす矯正治療が3回でできる」と約束されるところは、イメージ戦略がとても上手なようです。
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治療中に転居することになったら? | |
可能性が出てきた時点でなるべく早めに状況をお知らせ下さい。
通院が可能かどうか判断して、難しい場合には転居先の先生をご紹介いたします。
その際は治療を継続するために必要な資料を作成しますので、転居先が決まりましたら早めにお知らせください。
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